抄録
機械作業は作物に支障のない許容限界内で作業を進めれば作業精度を低下させるおそれはない. 機械は種の作業精度を保つため, 1972~1974 年, ダイコン•ハクサイを対象に砕土•は種深度•栽植密度•株間距離の不均一•欠株などにつき許容幅を検討した結果は次のとおりである.
1. ダイコンの発芽には径 2.0cm 以下の土塊の影響が大きく, これが重量比率で約 40% 以上あれば発芽に支障がないと考えられた. ハクサイの発芽には径 1.0cm以下の土塊の影響が大きく, これが重量比率で約 25%以上あれば発芽に支障がないと考えられた.
2. は種深度の許容限界は発芽率の許容水準を最高発芽区の 70% とし, さらに発芽後の立枯れなどの不安定要素を考慮すると, ダイコンは埴壌土•砂壌土で 1~4cm, 砂土で 2~4cm, ハクサイは各土性とも 1~3cmと考えられた.
3. ダイコンは栽植密度が密となるほど1個当たり根重は減少したが, a当たり収量には大きな差が認められず, 栽植密度の許容幅は収量より目標とする1個体当たり根重によつてきめるのが適当と考えられた.
ハクサイは早•中•中晩生の各品種とも栽植密度が密となるほど1個当たりの球重は減少したが, a当たり収量は反対に増加し, 栽植密度の許容幅は目標とする1個当たり球重およびa当たり収量によつてきめるのが適当と考えられた.
4. ダイコン•ハクサイいずれも株間距離の変動が大きくなるほど収量は低下し, 個体重の変異が大きくなる傾向が認められた. そして, その程度はダイコン>ハクサイであつた.
5. ダイコン•ハクサイとも欠株によつて隣接株の個体重は増加し, その程度はダイコン>ハクサイであつた. しかし, 2株以上も欠株が連続しても1株欠株の場合に比ベダイコンではわずか増加するが, ハクサイではほとんど増加しなかつた.
6. ダイコン•ハクサイいずれもa当たり収量は欠株率が大となるほど低下したが, 同一欠株率の場合は株間距離の変動が小さいほど低下が少ない傾向が認められた. 収量の許容水準を無欠株区の 90% とすると, ダイコンはハクサイに比べ欠株に対する許容幅が大きいと考えられた.
ダイコン•ハクサイいずれも個体重の変異は各欠株率とも株間距離の変動が大きくなるほど大きくなる傾向が認められた. また, ダイコンはハクサイに比べ個体重の変異が大きかつた.