園芸学会雑誌
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Hibiscus 属植物に関する研究 (第10報)
種間のつぎ木が開花ならびに栄養生長に及ぼす影響
立花 吉茂
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1976 年 45 巻 2 号 p. 173-180

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抄録
つぎ木を Hibiscus 属植物の栽培や育種の過程に応用し, あわせて種間の類縁関係を知る手がかりを得ようとして, 12種の草本と木本を用いてつぎ木実験を行ない, その生長と開花について調査した (第1表).
1. 1年生草本を多年生草本および木本につぎ木した場合, 活着は良好で, 対照区よりも良く生長した組合わせもあつたが, 開花数は少なかつた (第2, 6および7表).
2. 北米産の多年生草本3種を相互につぎ木すると, 生長, 開花ともに良好で対照区と大差なかつた. しかし, 木本のフヨウを台木にすると, 2年目には対照区に対する開花率がひじように低下した (第3, 6および7表, 第1図).
3) 熱帯性木本2種を3種の耐寒性木本およびクサフヨウ (多年生草本) の台木につぎ木すると, 活着は良好であるが, 生長は悪く, 対照区以外は開花しなかつた.
小型の熱帯性木本の pedunculatus は, どの台木につぎ木しても良く生長したが, ムクゲとクサフヨウの台木につぎ木した場合は, 開花数がひじように少なかつた(第4, 6および7表, 第1図).
4) 3種の耐寒性木本 (ハマボウ•フヨウ•ムクゲ)を相互につぎ木すると, 活着および生長は比較的良好であるが, 開花数は少なかつた. この3種を多年生草本の台木につぎ木した場合, フヨウだけが良く生長して開花したが, ハマボウとムクゲは生長がやや悪く, 開花数はきわめて少なかつた (第5, 6および7表, 第1図).
5) 熱帯性花木としてよく知られているブッソウゲはどの種につぎ木しても, また台木として用いても生長が悪く, まつたく開花しなかつた.
6) すべての組合わせのうち, モミジアオイ•ソコベニアオイ•クサフヨウの3種は, 相互にもつともよく生長, 開花し, つぎ木の親和力が高いと考えられた.
つぎ木の活着はどの組合わせも良好であり, この実験の範囲では, つぎ木の不可能な組合わせはなかつた. しかし, 生長促進や, わい性台としてとくに実用性の高い組合わせは見出せなかつた.
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