抄録
ブドウ′キャンベル•アーリー′を用いて, ガラス室内にさし木し, さし木当年における開花•結実とその後の果実生長に及ぼす葉齢別摘葉処理と SADH 散布処理の影響を調査した.
開花時の花の大きさは, 花房に対する葉の着生位置によって相違し, 下位葉区が上位葉区より明らかに大きかった. 開花3週目に調査した処理区当たりの結実樹の育成率は, 下位葉区が40.0%, 上位葉区が25.0%となった.
次に, 開花5~7日前に SADH の2500, 5000ppmを散布したところ, 下位葉区において, 花の生長を抑制する傾向がみられた. SADH 散布によって結実樹の育成率には変化がみられなかったが, 下位葉区の SADH 散布区では, 1房当たりの着粒数を増加さす傾向がみられた. 本調査は花房の上位と下位に1葉を残し, その他の葉, 新しょうの先端は摘除したため SADH によって, 栄養生長には相違がみられなかった. 別に, 全摘葉区を設けて SADH 散布処理を行なったところ, 開花3週目の着粒数はすべての処理区で良好であったが, 特に SADH5000ppm区で1房当たりの着粒数が多くなる傾向がみられた.
果実の成熟は上位葉区で下位葉区より促進され, しかも平均果粒重は大きくなった. SADH 散布により, 果実の肥大生長のみならず成熟も抑制された.