園芸学会雑誌
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ハムリンオレンジ (Citrus sinensis Osbeck cv. Hamlin)に対するNおよびZn施用の効果
サオタ G.S.アロラ J.S.
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1981 年 50 巻 3 号 p. 281-286

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抄録

ハムリンオレンジ1樹当たり, 0, 500, 1000, 1500gのN施用と, Zn6%溶液の2月, 4月および2月と4月2回の各散布が, 果実の収量, 品質ならびに, 葉内要素含量に及ぼす影響について調査した. 幹径, 樹高および樹の横径で表わされる生長に対しては, NおよびZnとそれらの組合せ処理は有意な効果を示さなかったが, 果実の収量はNとZnの処理によって有意に増加した.
果実重と果径がNの施用によって有意な減少を示したのに対して, Znの散布によってはそれらが増加した. 果汁歩合と可溶性固形物含量は, Nの施用によってのみ有意な増加を示した. 果皮歩合, 滴定酸度, 還元糖および甘味比については, NおよびZnとそれらの組合せ処理による有意な効果が認められなかった.
Nの施用によって葉内のN含量が有意に増加し, Zn含量が有意に減少した. 4月に1回のZn散布区と, 2月と4月の2回Zn散布区で葉内のZn含量が増加した. NおよびZnとそれらの組合せ処理は, 葉内のPおよびK含量に対して有意な変化を与えなかった.

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