園芸学会雑誌
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砂耕におけるエダマメの耐塩性と硫酸カルシウム施用との関係
糠谷 明増井 正夫石田 明
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1981 年 50 巻 3 号 p. 326-331

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抄録

エダマメの耐塩性と硫酸カルシウム (CaSO4) 施用の関係を明らかにするため, 希釈した海水を用いて収穫時までエダマメを砂耕栽培した. 全植物体乾物重, さやと種子の新鮮重, さや及び根粒数は, 0ppm Clで最大となり, 海水濃度が増すにつれて減少した. 0及び250ppmClでは, 1mM CaSO4で12mM CaSO4より生育がすぐれる傾向を示した. 500, 1,000, 2,000ppm Clでは, CaSO4処理による生育差はみられなかった. 葉中及び砂溶液中のNaとCl含量, 砂溶液のECは, 海水濃度が増すにつれて増加した. それぞれの海水濃度における葉中, 砂溶液中のNaとCl含量, 砂溶液のECは, CaSO4施用により影響されなかった. 葉中Ca含量, 砂溶液中のCaとSO4含量は, 4,8,12mM CaSO4で1mM CaSO4より高い傾向を示した. 本実験では, CaSO4の施用は砂耕におけるエダマメの耐塩性を増進できなかったが, これは耐塩性に対するCaの役割が, 作物により異なることが一因と考えられる.

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