抄録
ユリの種間雑種の雑種不稔性を打破するために, 次の方法が採られた. 1) F1の交配における, 再度の胚培養の利用, 2) 複二倍体の作成. F1を母親とした交配において, 幾つかの組合せで, 0.0~3.4%の胚珠で胚が形成された. 9戻し交雑 (或はそれに近い) 組合せから, 胚培養を経て, 合計134個体が得られた. F1を父親とした交配からの1個体が開花し, これは三倍体であった. 複二倍体は花粉親として用い得ることが認められ, テッポウユリ×キカノコユリの複二倍体との交雑から8個体のB1が得られた.
胚培養により作られた, 3組合せの新しいユリの種間雑種が紹介された.