園芸学会雑誌
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カキにおける新梢生長, 腋芽発育と花芽分化の関係
原田 久
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1984 年 53 巻 3 号 p. 271-277

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抄録

カキ‘平核無’における新梢生長, 腋芽の発育と花芽分化の関係について調査した.
新梢は主として節間伸長によって伸長し, 新梢茎頂で葉を分化しながら伸長するといったことはみられなかった. 新梢伸長の停止は, 新梢茎頂部が生長を止め, 枯死することによって起こった. 新梢伸長停止後, 腋芽内の葉原基数が急速に増加した. 葉原基数の増加は新梢の肥大生長の影響を受けた. 7月上旬になると, 腋芽茎頂での葉原基の分化が次第に抑えられ, それとともに葉原基の腋部分裂組織が隆起し, その後多くは花芽へと発達した. 花芽分化は腋芽の発育や腋芽の茎頂分裂組織の活性低下と密接な関係をもって起こっていると考えられた.

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