抄録
数種類の柑橘果実 (温州ミカン, ハッサク, 夏ミカン) に10ppmのエチレン処理を行って, 果実の呼吸量(CO2排出量) がどのように変化するかを, 20°Cで調べた.
エチレン処理により果実の呼吸量は増大し, 処理開始1~3日後にピークに達した後, エチレン処理が続けられたにもかかわらず呼吸量は減少した.
エチレン処理と処理休止とを1日おきに繰り返した場合, 果実は初めの3~5回のエチレン処理には反応して呼吸量が増大したが, それ以上エチレン処理を繰り返してもエチレンの効果はなかった.
3日間エチレン処理を続けた後1日間処理を休止し, 再度エチレン処理を行った場合には, 第2回目の処理に対応した呼吸量の増大は見られなかった.
2日間のエチレン処理と1日間の処理休止を繰り返した場合には, 初めの2回目の処理までは果実の反応が見られたが, 3回目以後の処理に対しては反応が見られなかった.
3日間または6日間のエチレン処理であっても, 処理休止期間が3日間であれば, 再度のエチレン処理に対して果実は反応した.
以上のことから, ノンクライマクテリック型の柑橘果実は, エチレン処理に対する反応能力に一定のキャパシティを有し, その範囲内であればエチレン処理のたびごとに反応すること, また, その反応能力は数日間の処理休止期間を置くと回復できるものと推察された.