抄録
近年カンキツ果実の年産量は400万トンをこえ, 生産過剰気味で約15-20%が加工されている. 果汁を製造する際, 搾汁機から主に砂じょうやじょうのう膜などからできている果肉かすが全果の約20-23%排出する. このものはべとべとで, 腐りやすく, その組成は乾物当たり粗タンパク質8.0-19.8%, 粗脂肪4.6-12.3%, 粗繊維9.4-16.0%, 灰分2.5-5.3%, 無窒素物48.1-71.5%で, また, ペクチン, セルロース, ヘミセルロース量はそれぞれ7.2-14.7%, 6.5-10.0%, 1.3-2.8%で, これらの合計量は15.9-26.0%を占めた. このようにペクチンやセルロースなどが多かったので, 食物繊維としてこれらの成分の利用をはかるため, 温湯で十分に洗浄したものを日光にさらすことでオレンジ色を脱色した後, 乾燥し, ソフトで白色の搾汁かすを5%の収率で製造した. このものの組成は, 乾物当たり粗タンパク質6.3-12.3%, 粗脂肪1.5-8.7%, 粗繊維25.2-30.9%, 灰分2.0-4.2%, 無窒素物49.8-63.2%で, さらに, ペクチン, セルロース, ヘミセルロース量及びこれらの合計量は, 12.3-37.5%, 10.6-29.6%, 4.1-18.8%及び39.5-68.4%で, ペクチン, セルロースなどに富んだ物質であった. 他方, 電顕下のじょうのう膜組織はちょうど蜂の巣状で, 水, 油の保有に役立つものと考えられた. なお, 水と油の保有能を改良するためセルラーゼ処理を行った. 無処理のものは水で9.7g/g, 油で5.8g/gであったが, 処理したものはそれぞれ11.8-15.1g/gと6.5-9.3g/gと増大した. 以上から, 搾汁かすは食物繊維の原料に適しているといえよう.