園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
株齢と山上げ処理時期の違いがファレノプシスの開花に及ぼす影響
米田 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 54 巻 1 号 p. 101-108

詳細
抄録
ファレノプシスの山上げ処理による開花促進効果を1979年, 1980年の2年にわたり, 株齢と山上げ処理時期及び期間の面から検討を行った.
1. 栃木県那須地方の標高約500m に6月下旬より7月中旬に山上げ処理をした. この間の気温はファレノプシスの花成誘導の温度範囲にあり, また花成誘導を受け入れる株条件に到達している.
2. 上記の場所と時期の山上げ栽培により, 3年株(未開花株), 4年株, 5年株と6年株は花茎発生時期が平地(越谷) に比べて約2か月, 開花期が約3か月早まる.
3. 山上げ栽培により, 花茎発生数は未開花3年株では少ないが, 4年株以上の既開花株では株齢が進むほど多くなる傾向がある.
4. 花茎発生節位は山上げ処理時期や株齢を問わず, 平地 (越谷) での栽培に比べて約1節位上がる.
5. いずれの時期や株齢でも山上げ栽培により, 花茎上の節数は少なく, 花茎が短くなるばかりでなく, 花穂長や花数が減少する.
6. 山上げ栽培により, 株齢が若いほど到花日数は多くを要し, 株齢が進むほど少なくなる. また, 山上げ処理時期が早くても, 山下げ時期が遅れた場合には到花日数は多くなる.
著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top