園芸学会雑誌
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ブルーベリー果実の発育特性とその品種間差異について
志村 勲小林 幹夫石川 駿二
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1986 年 55 巻 1 号 p. 46-50

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抄録

ハイブッシュの‘Weymouth’ の‘Jersey’, ラビットアイの‘Woodard’と‘Tifeblue’ を供試して, 幼果期から成熟期に至る果実の発育•肥大とそれに伴う果皮色の変化, 呼吸量及びエチレン排出量の変化並びに全糖と全酸含量の経時的変化を調査した. その結果は次のとおりである.
1. ブルーベリー果実の肥大曲線はダブルシグモイドを示し, その周期は第I期 (迅速生長期), 第II期 (一時的生長停滞期) 及び第III期 (成熟前第2迅速肥大期) に分けられた.
2. 栽培品種の早晩性は肥大第II期の日数の長短と関連が強く, その期間は早生品種で短かく, 晩生品種で長かった. また, 第III期の日数の長短も早晩性に関与していることが認められた.
3. 果皮色は果実が肥大第II期から第III期に移行する時期から著しく変化し, とくに早生品種ではその変化が運やかに進行した.
4. 果実の呼吸量は肥大周期の第II期の終りころもしくは第III期の初めに一時的増加が認められ, ブルーベリーはClimacteric type の果実と考えられた. また, エチレン排出量のピークは呼吸の Climacteric ピークと同時期あるいはやや早い時期に認められた
5. 全糖含量は Climacteaic rise 後に急増し, 全酸含量は減少した.

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