園芸学会雑誌
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ウンシュウミカンの花器官の離脱時におけるデンプン粒の分布に関する解剖学的ならびに組織化学的研究
白石 雅也柳澤 友幸
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1988 年 56 巻 4 号 p. 365-374

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抄録
ウンシュウミカンの開花時には離層が花糸や花弁の基部に出現した. それらの基部はほぼ15から20層の小形細胞から構成され, 他の組織とまったく相違した. 離層は満開1日から3日後に発生し, 離層の発生初期における組織の引き裂き現象は細胞壁の崩壊によって起こった.花器官の離脱時には, ヨードヨードカリ溶液によって陽性を呈する多数のデンプン粒が花糸や花弁基部の小形細胞内に集積を始めた. それらのデンプン粒は離層を形成する直前に最も多くなった. しかしながら, 離層形成によって花糸や花弁が離脱した後には組織から順次消失した.
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