園芸学会雑誌
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リンゴ園における葉面積の推定法
浅田 武典
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1989 年 58 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
津軽地域におけるリンゴ“ふじ”の22の栽培園について行った枝の太さと葉面積に関する調査をもとに, リンゴ園の葉面積推定方法を明らかにしようとした.
生枝下直径 (X) と葉面積 (Y) が, 相対生長関係にあるものとみなし, 全供試樹における両者の対数値について直線回帰を求めた. その結果, log Y=-0.710+2.145 log Xの回帰式が得られ, その相関はr=0.931と高かった. 栽培条件の異なるリンゴ園の木において,これらの密接な関係が認められたことは, 直径5cm以下の比較的小さい枝を対象として測定したこと, また直径の測定部位を生枝下としたことによるものと推察された.
この結果にもとづき, リンゴ樹の葉面積推定方法として, 樹上に着生する直径5cm以下の枝の生枝下直径を測定し, 上述の直線回帰式を用いて各枝の葉面積を算出し, それらの総和により1樹の葉面積を求める方法を検討した. この方法を用いて, 太枝の葉面積を推定した結果, 実測葉面積に近似した値が得られた. 両者の相関はr=0.920であった.
以上の結果, 本報で得られた葉面積推定方法は, 栽培条件の異なる慣行リンゴ栽培園の葉面積を推定する方法として, 実用に供しうるものと考えられた.
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