園芸学会雑誌
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環状剥皮摘心及除葉が桃の花芽形成に及ぼす影響 (第1報)
三輪 忠珍
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1935 年 6 巻 2 号 p. 318-328

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抄録
1. 土用水蜜桃に環状剥皮, 摘心並除葉を施した際の花芽分化期は夫々次の如し。(京都1931)
環状剥皮區 7月31日稍ゝ以前 標準區 8月15日頃
摘心區 8月15日稍ゝ以前 除葉區 8月20日前後
2. 各區共蕚片期, 花瓣期, 雄蕊期及雌蕊期に達する時期は夫々分化期に略ゝ平行し, 早きものより環状剥皮區, 摘心區, 標準區, 除葉區の順位を保つ。
3. 花芽の發生經過が進むに從つて各區間の差異は次第に短縮せらるる傾向を示し, 11月中旬となれば形態的に胎ど區別が認められなくなる。
4. 環状剥皮並摘心は花芽の分化發生現象に對して明かに促進效果を示す。然も環状剥皮は摘心に比し平均2倍近くの效果を齎した。
5. 除葉は花芽の分化發生現象に對して輕い抑制效果を示す。
6. 葉芽の發生經過は環状剥皮, 摘心, 除葉等の處理に依て殆ど變化が認められぬ樣である。
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