園芸学会雑誌
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花芽のペルオキシダーゼアイソザイム分析による日本産ナシ属の類別
張 浚澤田辺 賢二田村 文男伴野 潔
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1991 年 60 巻 3 号 p. 513-519

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抄録

花芽のペルオキシダーゼアイソザイムを分析することにより,ナシ属の42種•品種を同定した.アイソザイムの分析では再現性が認められ,5種類のペルオキシダーゼアイソザイム表現型が得られた.
Aのアイソザイム表現型を示した満州マメナシ,ホクシマメナシ,満州野生,豊富梨,またCのアイソザイム表現型を示した朝鮮マメナシ,三重マメナシ,岩手ヤマナシ,マメナシ-12は各々種間差が認められなかった.'二十世紀'の芽条変異により生じた'おさ二十世紀',および'二十世紀'の高配品種である.'菊水','八達',ならびに'二十世紀'の自然受粉品種である'愛宕','新興'はそれぞれ同じEグループに入り,'二十世紀'との識別は不可能であった.
関東地方の古い品種である'六月','赤穂','早生幸蔵','真鍮','早生赤'は同じBグループに含まれた.一方同じ関東地方の品種である'平子'と'長十郎'は同一表現型のDを示した.以上の関東地方の品種では共有する四つのアイソザイム(a, c, d, e, 第2図) が認められた.

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