園芸学会雑誌
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イチゴ品種'盛岡16号'の茎頂培養由来カリクロン植物からのイチゴ黒斑病抵抗性株の選抜とその特性
高橋 春實高井 隆次松本 勤
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1992 年 61 巻 2 号 p. 323-329

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抄録
培養による変異性発現を利用して, イチゴ黒斑病に抵抗性をもつ'盛岡16号'を育成するため, '盛岡16号'の茎頂組織の培養によって誘導したカリクロン植物に,3通りの方法で黒斑病菌 (OH-5) を接種して黒斑病抵抗性株を選抜した.
これらの方法の中で, 殺菌したバーミキュライトを詰めた素焼鉢にカリクロン植物を移植したのち, 黒斑病菌を噴霧接種した1196個体の中から, 3個体の黒斑病抵抗性体が選抜できた.
そこで, これらの3個体にそれぞれ'M16-AR1', 'M16-AR2', 'M16-AR3'の系統名を付し, 草姿や果実特性について調査した. その結果, 草丈, 葉数, 開花期,収穫期および果実の形質などのいずれにおいても, 'M16-AR1', 'M16-AR2', 'M16-AR3'の各系統は'盛岡16号'との間に違いが認められなかった.
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