園芸学会雑誌
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走査型電子顕微鏡によるアブラナ科疏菜の花弁形成時期の観察
垣渕 和正藤目 幸擾
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1994 年 63 巻 2 号 p. 385-392

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抄録
キャベッ, カイラン, コールラビ, ケール, コウサイタイ, パクチョイ, サイシン, ダイコンを供試し,花芽の発育過程, とくに花弁原基の分化と発育について走査型電子顕微鏡を用いて観察した.
1.供試したすべての種類において, 花芽発育段階は, 未分化期, 膨大期, 花芽原基分化期, がく片分化期, 雄ずい•雌ずい分化期, 花弁伸長前期, 花弁伸長後期の7段階に分けられた.
2.すべての種類について, 花弁原基は雄ずい原基とほぼ同時に分化することが確認された. 特にサイシンの花弁と外輪雄ずいは内輪雄ずいより早い時期に分化していた.
3.分化直後の花弁原基は他の花葉原基に比べて極めて小さく, 分化後の発育がしばらくの間停止しており, その発育開始は雄ずいと雌ずいよ•り遅れていた.
4.以上の結果, 供試した8種•20品種のアブラナ科蔬菜の花芽では外輪から, がく片, 花弁および雄ずい, 雌ずいの順に分化していると判断された.
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