抄録
サルナシ (Actinidia arguta Planch.) 植物体の各部位 [新梢節間部, 葉 (若葉と成熟葉), 葉柄, 未熟種子, 未熟果実], ならびに培養系において得られた培養体の根から採取した外植体を取り出して培養した.培地は, Miller培地, ショ糖30g•1iter-1, ゲルライト2g•liter-1を基本とし, BA (0,1, 10μM) とNAA(0,0.1,1, 10,100μM) とを組み合わせて添加した15種を用いた.
カルス形成は, 成熟葉以外のすべての外植体においてみられた. 野外成植物の新梢節間部組織片の皮層部からはカルスが形成され, さらにカルスの表層部から不定芽が分化し, 培養60日後には, シュートが伸長した. NAA濃度が高くなるに従ってシュート形成は抑制されたが, 適度のBA添加によって, シュート形成のNAAによる抑制が軽減される傾向がみられた.また, 形成されたシュートを, BA (1および10μM)とNAA (0,2,4,6,8, 10μM) とを組合わせた12種の培地へ移植したところ, NAA4μMとBA1μMを添加した培地において発根し, 移植45日後には,完全な幼植物が得られた. この幼植物を, 土とバーミキュライトを4:1の割合で混合した床土に移植したところ, 生存率はほぼ100%で, 旺盛な生長を続け,40日後にはつる性が現れた.