抄録
一樹当たりの着果数の相違がモモ葉の形質とアミラーゼ活性, RuBisCOタンパク量に及ぼす影響を調査した. 葉の採取日は, 果実収穫適期1週間前の7月13日であった. 葉のRuBisCOタンパク量は, SDS-PAGEによる電気泳動法とホウレンソウ葉の特異抗体を用いたイムノブロッティング法によって検討した.無着果樹に比べて, 着果樹の葉は薄く, 葉幅は狭くなり, 濃緑色を呈した. 単位葉面積当たりのクロロフィル含量は一樹当たりの果実数が増加するにつれて高く,葉面積当たりの乾物重は着果数が増加するにつれて低下した. 果実成熟期における葉のアミラーゼ活性は,一樹当たりの着果数が多く, デンプン含量の低い樹でもっとも高くなり, 葉中のアミラーゼ活性とデンプン含量との問には負の相関がみられた. また, 着果数の増加により, 葉へのデンプンの蓄積が減少し, クロロプラストの区画が拡大するにつれて, RuBisCOタンパクの量は明らかに増加した.