園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ファレノプシスの生育•開花に及ほす養分欠乏の影響とその症状について
米田 和夫臼井 真理子窪田 聡
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 66 巻 1 号 p. 141-147

詳細
抄録

ファレノプシスの各養分の生育•開花への影響,ならびにそれの欠乏症について検討した.
1.Nが欠乏すると展開葉数が少なくなり,落葉数がやや多くなった.展開葉面積も小さく,さらに1枚あたりの面積も小さくなった.また葉緑素濃度は明らかに低下した.しかし花茎発生に影響は認められなかった.根の生育はほとんど影響されないが,乾物生産量は明らかに少なくなった.
2.Pが欠乏すると落葉数が多くなり,展開葉数が少なく,欠乏症状は下位葉が最初に赤紫色を帯びて葉が上方にやや巻くようになり,葉先から黄変が始まって,葉全体に広がり,ついには落葉した.この現象は下位葉から順に進行した.また新葉の1枚あたりの葉面積が小さく展開葉面積も小さくなって,乾物生産量は少なくなった.根の先端部分は枯死して,新根が再生しないため根数が少なく,根重も軽くなり,花茎の発生は強く阻害された.
3.K欠乏は展開葉数と落葉数は完全培養液区と変わらないが,展開葉面積がやや小さくなる傾向にある.根の生育はほとんど影響されなかった.乾物生産量はやや少なくなる傾向にあった.花茎発生に影響はみられなかったが,発生時期が早くなる傾向がみられた.また葉や根などに欠乏症状は発現しなかった.
4.Ca欠乏は生育や花茎発生に顕著な影響は現れなかった.また欠乏症とみられる症状は発現しなかった.
5.Mg欠乏では,展開葉数がやや少なくなる他は展開葉面積,根の発育,乾物生産ともに完全培養区に遜色なかった.花茎発生率には差がみられないが,花茎発生時期が明らかに遅くなる.また特に欠乏症状は発現しなかった.

著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top