園芸学会雑誌
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シロバナヘビイチコ (Fragaria moschata Duch.) 'カプロン'の試験管培養におけるカルス生長と個体再生
Rodrigo InfanteMarco MazzaraPasquale Rosati
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1998 年 67 巻 1 号 p. 39-43

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抄録
試験管内で培養したシロバナヘビイチゴ(Fragaria moschata)のシュートから葉および葉柄を外植体として, MS培地上でカルスを誘導した.培地にNAA 1mg・1-1とBA 0.025mg・1-1を添加した場合, カルス形成速度はもっとも高かった.その後, NAAとBAの異なる組合せのMS培地に移植, 18ヵ月間継代培養したカルスを供試して, 各培地での生長量を比較した.生長量はシャーレ上で8週間培養した時の, カルス増加面積として表した.最も良好な生長は, NAA 0.01mg・1-1とBA 0.25mg・1-1の組合せで観察され, NAA 0.5mg・1-1とBA 0.025mg・1-1の組合せで最も劣った.面積で求めた生長量が実際のカルス生長に見合うか, カルス生体重を計測したところ, 高い相関が得られた(r2=0.974∿0.996).18ヵ月間培養されたカルスの個体再生の可能性をみるために, TDZ, BA, ZEA, IBA, NAAを含む培地に移植した.その結果, 4ヵ月後にシュート形成がみられ, このシュートを発根培地へ移植したところ, 健全な発根が認められた.
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