園芸学会雑誌
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グルタチオン, アスコルビン酸, 色素等を考慮したブロッコリーの最適包装設計
石川 豊/ 平田 孝長谷川 美典Yoshinori Hasegawa
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1998 年 67 巻 3 号 p. 367-371

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抄録
ブロッコリーを9種類のガス環境条件下で貯蔵し, グルタチオン, クロロフィル, アスコルビン酸, β-カロテン等成分変化を測定した.低酸素, 高二酸化炭素条件ではグルタチオンの減少が見られ, 高酸素, 低二酸化炭素条件ではクロロフィル, アスコルビン酸等の減少が見られた.最もバランス良く各種成分保持が可能であったのは, 酸素2%, 二酸化炭素4∿10%の条件で貯蔵した試料であった.ガス濃度, 貯蔵時間等の関数である呼吸モデルを作成し, コンピュータシミュレーションを行い, 包装内適正ガス組成を得るために必要な条件を検討した.袋の酸素透過量を1000ml/day/atm程度にすることにより袋内酸素濃度2%, 二酸化炭素濃度5%を達成することができ, 最適なMA効果が得られると予測することができた.種々のガス透過率のフィルムを使い実証試験を行った結果, 酸素透過量1000ml/day/atm程度のフィルムで最も品質保持効果が高いことを確認することができた.
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