園芸学会雑誌
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ストック (Matthiola incana R. Br.) の栄養生理に関する研究 : (第 1 報)葉位別の葉の生育と窒素およびリンの動向
楊 秀珍井戸 亮史山内 益夫
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1998 年 67 巻 3 号 p. 439-445

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抄録
極早生ストック'朝波'の各葉位の葉の生育とNおよびPの動向を追跡した.最終葉数は51枚であり, 最大葉面積を示した葉(15∿20葉)と最大乾物重を示した葉(33∿36葉)は異なった.また, 10葉より下位の葉においても最大乾物重を示した後の乾物重の低下は僅かであった.しかし, NあるいはPいずれもが30葉位までは最大含量に達した後, より上位の葉あるいは茎, 花部への転流移動を示した.展開葉のT-N含有率は約4.5∿5.0%でほぼ一定であり, 発らい後一様に低下した.Pは発らいまでは若い葉ほど高い含有率を示し, その後は25葉位より上の葉で約0.35%で一定となった.移動率は両要素で類似し, 8∿30葉で下位葉ほど高かった.硝酸態窒素含有率は5葉位より上の葉では上位葉ほど低く, 移動率は18葉をピークとし上下に離れるほど低下した.これらの結果から, 葉を下位葉(7葉), 中位葉(8∿30葉)と上位葉(31葉以上)に分け, その特性を示した.
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