抄録
新潟県で特定の大輪ギク品種に発生した特異的な生育障害, すなわち草丈のわい化, 開花の1∿2週間の遅延, 花型の丁字型化などを起こすCSVdの性質を調査した.'ミスルトー'を用いた生物検定, およびRNAのポリアクリルアミドゲル電気泳動による解析の結果, 本症がCSVdによるものであると確定した.発病株から発生した冬至芽からのCSVdの無病化は, 2品種中1品種で認められ50∿61%の冬至芽が無病徴であった.汁液接種によるCSVdの伝染性については品種間差があり, 調査した10品種中, 5品種はCSVd抵抗性であった.土壌伝染性は認められなかった.塩基配列を解析した結果, 2か所でイギリス型と異なっていたが, 塩基数は同じであった.