園芸学会雑誌
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AFLP 法のモモ遺伝解析への利用
島田 武彦山本 俊哉八重垣 英明山口 正己吉田 雅夫林 建樹
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1999 年 68 巻 1 号 p. 67-69

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抄録
AFLP法がモモの遺伝解析に有効かどうかを明らかにするために, 2種類の蛍光検出による分析を試み, 再現性, バンドのクローニング方法, RAPD分析との比較, および品種識別での利用について検討した.異なる抽出法で得たDNAでAFLP分析を行った結果, サンプル間や反復でほぼ同一のバンドパターンが得られた.また, DNAシーケンサーによる解析では迅速にバンドを検出することができ, ビオチン検出では多型を示したバンドのクローニングが可能であった.AFLP法はRAPD法と比べ, プライマー当たりの多型バンドの検出が20倍程度高かった.さらに8品種について品種識別を行った結果, 総断片数334個のうち38個が多型を示し, すべての品種を識別できた.以上のことからAFLP法はモモの品種識別, 親子鑑定やマッピングなどの遺伝解析に効率良く利用できる手法であることが明らかとなった.
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