抄録
スクロース(25, 50, 75および100g・liter-1)と8-ヒドロキシキノリン硫酸塩(200mg・liter-1)を組み合わせた連続処理がキンギョソウ切り花の品質保持, 可溶性糖質含量およびエチレン生成量に及ぼす影響を調べた.すべての濃度でつぼみの開花が著しく促進され, 花持ち日数が延長した.最も高い効果を示したスクロース濃度は50g・liter-1であったため, 以下の試験はこの濃度で行った.この処理により小花の新鮮重は高く維持された.花弁にはグルコース, フルクトース, スクロースおよびマンニトールが検出された.マンニトール以外の糖含量はスクロース処理により高く維持された.マンニトール含量は処理の有無にかかわらず著しい変動を示さなかった.小花のエチレン生成のピークはスクロース処理により遅延した.以上の結果より, スクロースの連続処理はキンギョソウ切り花の品質保持に著しい効果があることが判明した.この効果は糖含量の増加によるつぼみの開花促進ならびにエチレン生成抑制によるのではないかと考えられた.