抄録
愛媛県下の露地およびハウス栽培のウンシュウミカン園において, 土壌中のVA菌根菌胞子数およびVA菌根形成を調査した.その結果, 露地, ハウスのいずれの園地においても胞子や菌根が観察された.調査園における土壌25g中の胞子数は160から3471個であり, 全体的に少ない傾向にあった.土壌中のPO43-濃度が50 ppmを越えたハウス栽培下の園地では菌根形成が著しく劣った.しかし, 毎年高品質の果実を生産している露地園(特に, 愛媛県八幡浜市日の丸地区や吉田町Q園)や, 樹勢の良いハウス園では菌根形成状態が極めて良好であった.また露地における草生園や炭施用園でも菌根感染率が高かった.