園芸学会雑誌
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'イチョウイモ'の花穂と新芋の発育に及ぼす温度と日長の組み合わせ処理の影響
吉田 康徳清野 貴将金浜 耕基
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1999 年 68 巻 3 号 p. 603-607

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抄録
'イチョウイモ'の花穂と新芋の発育に及ぼす温度と日長の組み合わせ処理の影響について調査した.主枝の発育は, 昼温/夜温が30/25℃と24/19℃の24時間日長で著しく促進され, 8時間日長で著しく抑制された.長日条件下で主枝の発育に対する高温域の限界気温は30/25℃と35/30℃の間に存在し, 17/12℃の8時間日長区を除き, いずれの処理区でも生育停止から約80日後に枯れ上がった.花穂の発育は, 35/30℃, 30/25℃, 24/19℃の8時間日長のみで認められた.特に30/25℃・8時間日長では花穂の発育した個体の割合が5/8と最も高く, 24/19℃と35/30℃の8時間日長では3/8と低かった.ムカゴと新芋の発育は, いずれの温度でも8時間日長で早く始まり, 特に, 24/19℃・8時間日長で最も促進され, 次いで30/25℃と35/30℃の8時間日長で促進されたが, 17/12℃・8時間日長では著しく抑制された.シュート枯れ上がり時には, 24/19℃・24時間日長でも, 30/25℃と24/19℃の8時間日長と同じ程度に大きく発育した.従って, 中温・短日で新芋の発育開始が早くなるものの, 最終重量は中温・長日で最も大きくなることが示された.
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