園芸学会雑誌
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ミルトニアの生育・開花に及ぼす遮光処理と栽培温度の影響
松井 信行米田 和夫
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1999 年 68 巻 3 号 p. 608-613

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抄録
本実験はメリクロン由来のコロンビア型種のミルトニア(Miltonia vexillaria)を供試し, 生育・開花に及ぼす光強度と温度の影響を明らかにしたものである.1. CO2吸収の日変化はC3型光合成を呈した.2. 光強度が強いほどCO2吸収速度は促進された.また光強度の違いにかかわらず, 葉温が27℃以上になると, CO2吸収速度は著しく低下した.3. 新しく発生したリードの葉面積は, 最高温度を制御しなかった区(対照区, 最高気温41℃以下)で小さくなり, バルブの肥大は劣った.これに対し, 温度制御した区(最高気温32℃以下)においては強光区, 中光区ともにバルブは急速に肥大し, 根長も長く, 乾物生産量も多かった.4. 最高温度を制御しなかった区では, 開花は見られなかった.しかも株の枯死もみられ, 光強度が強いほど多かった.5. 一方温度制御区では開花し, 開花日は光強度が強いほど早かったが, 弱光区では不揃いで, 開花率や花茎数も少なかった.小花数や花茎径は中光区で増大し, 花茎長は強光区で短くなった.
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