園芸学会雑誌
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単離したアジアティックハイブリッド'コネチカットキング'の小胞子培養および小胞子由来のカルス形成
韓 東生新美 芳二中野 優
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2000 年 69 巻 1 号 p. 52-56

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抄録
ユリにおいて単離小胞子からのカルスの誘導に初めて成功した.圃場で栽培した'コネチカットキング'から花らい(長さ2-3cm)を採取し, やくから1核期の小胞子を単離し, 25℃, 暗黒下で培養した.小胞子の生存と発達に及ぼす炭素源(ショ糖およびマルトース)と培地更新の影響をMS培地を用いて検討した.培地の炭素源は培養小胞子の生存率および発達に影響した.小胞子の生存率はショ糖よりもマルトースを添加した培地で高かった.培地の更新は小胞子の生存率を改善しなかった.ショ糖培地では, 多数の小胞子がデンプン粒を蓄積し, それは培養を継続しても分裂しなかった.一方, マルトース培地では, デンプン粒を含む, 膨張した小胞子はほとんどなく, 小胞子の分裂が観察された.これらの小胞子は分裂を繰り返し, 多細胞小胞子やカルスに発達した.
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