抄録
1. 蘿蔔の3品種聖護院, 白上, 宮重を供試し, 被袋放任, 同花授粉, 隣花授粉, 異株間授粉及び自然授紛の5區に分て, 自花授粉と他花授粉との比較を試みた。
2 異株間授粉區の受精歩合は, 自花授粉區たる被袋放任, 同花, 隣花授粉區に比し非常に高く, 自然授粉區をすら凌ぐ結果を得た。自花授粉3區間の受精歩合は, 明瞭な差が認められなかつたが, 被袋放任區は他の2區に比しやゝ劣る傾がある。
3. 莢の大きさ, 種子數及び種子重量について調査したところでも, 略ゝこれと同一傾向が認められた。
4. 聖護院について同花授粉と隣花授粉との比較を反復したが, 其差は見られなかつた。
5. 自家不和合性の強い蘿蔔の中にも, 自家和合性の個體が混在してゐる。白上の夫について其子孫を檢して見ると, 自家和合性は固定せずして, 自家和合と不和合とに分離するもののやうである。