抄録
メロンの整枝作業の省力化を可能にする短側枝形質を導入したメロン系統'メロン安濃17号'を用い, 短側枝性の遺伝解析を行った.'春系3号'との交雑F1, F2, BC1世代における短側枝性個体と普通側枝性個体の分離比は, 短側枝性が単因子劣性に遺伝すると仮定した場合の分離比によく適合した.一方'YSハネジュー'との交雑F1は, 短側枝性個体から普通側枝性個体まで連続的に分布した.これらのことから, 短側枝性は1つの主働遺伝子sbに支配される劣性または不完全優性の形質であり, 交配親の対立遺伝子あるいは遺伝的背景や環境要因の影響を受けて発現の程度が変動すると推察された.また, 草丈, 茎径等の草勢に関わる植物形質と短側枝性の間には有意な負の相関関係が認められ, 短側枝性は草勢と関連した形質であると考えられた.