園芸学会雑誌
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ササユリ (Lilium japonicum Thunb.) 未熟種子の発芽特性と種子処理による発芽促進
稲垣 栄洋寺田 吉徳山本 美智子大塚 寿夫本間 義之
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2002 年 71 巻 1 号 p. 133-138

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抄録

ササユリ子球生産期間の短縮を目的として, ササユリ未熟種子の発芽能力と発芽を促進する方法について検討し, 以下の結果を得た.1. 種子および胚の大きさは, 交配後2ヵ月でほぼ一定値に達した.ササユリ未熟種子は交配後2ヵ月で発芽能力を有し, 交配後3ヵ月の未熟種子は80%以上の高い発芽能力を有していた.2. 交配後4ヵ月の未熟種子では高温処理により発芽率が高まったが, 交配後3ヵ月種子では高温処理に対する反応は認められなかった.3. 交配3ヵ月後の未熟種子は, 付傷処理により発芽率が高まった.また, 水酸化ナトリウム(NaOH)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)への浸漬処理によっても, 未熟種子の発芽率を高めることが可能であった.

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