園芸学会雑誌
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イチゴの実生集団における早晩性の評価法
森 利樹
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2002 年 71 巻 2 号 p. 267-271

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抄録
イチゴの促成栽培における早晩性を評価するため, 栄養繁殖系統における花芽分化開始日の推定方法や実生個体における出らい日を基準とした簡易評価法について検討した.また, それらの結果から, 早晩性の遺伝特性を推察した.1. 遺伝的に均一な栄養繁殖集団である'女峰'においても, 出らい日の頻度分布に分離がみられた.そのため, 遺伝的要因による表現型分離の有無を確認する場合には, 出らい日を指標とすることは適切でないと考えられた.2. 交配実生から増殖した37組の栄養繁殖系統を用い, 9月4日から28日まで8回に分けて各系統2株ずつ定植し, 出らい遅延株が発生しない最も早い定植日をその系統の花芽分化開始日と推定した.花芽分化開始日は単峰型の連続分布を示したことから, 早晩性に主働遺伝子は関与していないと推定された.3. 交配実生で1年目に調査した各個体の出らい日と, それらを栄養繁殖した各系統における花芽分化開始の推定日との間に, 有意な相関が認められた.このことから, 実生の出らい日の早晩を基準にして, 簡易に早生個体を選抜することが可能と考えられた.
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