抄録
特別な装置や経験を要せず簡便に行えるシソ香気の客観的評価法を設定することを視野に入れ, 無加温で香気成分を回収でき, 特殊な装置を必要とせず, 操作が簡単で再現性が高いなどの利点を有するポラパックQカラム濃縮法を香気成分前処理法に採用した.そして機器分析によるシソ香気特性の客観的把握の第一段階として, 本手法によるシソ生葉の香気成分分析データが官能評価結果を説明し得る情報を有しているか否かを検討した.ガスクロマトグラフィー(GC)分析の結果, 全36サンプルを通して計120ピークが検出された.1サンプルあたり検出ピーク数は, 平均45本, 最多サンプルでは67本, 最少サンプルで26本であった.全36サンプル中, 29サンプルがペリラアルデヒドを主要成分としていた.7サンプルはペリラアルデヒドをほとんど含まず, 代わりにペリラアルデヒドを主要成分とするサンプルにはほとんどみられないディルアピオール, エルショルチアケトン, ペリラケトンなどを主要成分としていた.GC定量データに基づき, 全36サンプルを6グループに分けた.これらGC定量データに基づくグループと官能評価によるグループとの間には完全な一致はみられないものの対応はみられた.これより, ポラパックQカラム濃縮法によるシソ生葉の香気濃縮物の成分分析データ中には試料香気の官能特性を説明し得る情報が存在していると考えられた.