霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-222
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ポスター発表
シカ個体数調整のための捕獲手法の評価
*松浦 友紀子*高橋 裕史*伊吾田 宏正*池田 敬*東谷 宗光*梶 光一*日野 貴文*吉田 剛司
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抄録
 ニホンジカの個体数増加や分布域拡大がもたらす諸問題の激化に伴い,日本各地で効率的な捕獲方法が模索されている.効率的な捕獲のためには,複数の手法を組み合わせることが効果的と考えられ,環境条件や社会条件に応じてワナや銃器を用いた捕獲が選定される.各方法についての捕獲効率は,単位期間や捕獲試行回数当たりの捕獲数により評価される例が多くみられる.しかし,この方法で算出された捕獲効率では,捕獲対象個体群の個体数が考慮されておらず,個体数調整としての効果が不明瞭である.そこで本研究は,各捕獲方法が個体数調整に及ぼす効果を明らかにすることを目的として,シカの捕獲を実施した.すなわち,個体数管理対象地域に複数の捕獲サイトを設定し,各捕獲サイトにおいて捕獲対象となる「ターゲット」個体数を推定し,ターゲット個体数に対する捕獲頭数を捕獲効率として,各捕獲方法の効果を検討した.調査は長年にわたり生息数調査がなされており,精度の高い生息密度推定が行われている洞爺湖中島で行った.観光地でもある本調査地において,安全性と地形等を考慮し,島内に 3つの捕獲サイトを設定し,構造物を用いた捕獲(追い込み捕獲,囲いワナ捕獲)と銃器を用いた捕獲(餌付け有,無)を選択し,2012年 3月から捕獲を実施している.各サイト内に複数設置した自動撮影装置画像から得られた撮影頻度と群れサイズを用いて,各捕獲サイトのターゲット個体数を推定した.捕獲開始時の生息数は 277頭(55.4頭/km2)と推定されていたが(梶 未発表データ), 2013年 6月までに 100頭以上の捕獲を行い,生息密度は 33頭 /km2程度に減少した.今回は,管理目標としている 50頭(10頭/km2)に達する前の途中経過として 2013年夏までの結果を報告する.
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© 2013 日本霊長類学会
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