園芸学会雑誌
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レタスLactuca sativaおよび近縁野生種のアイソザイムの遺伝分析
水谷 高幸田中 孝幸
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2003 年 72 巻 2 号 p. 122-127

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抄録

レタスLactuca sativaおよびその近縁野生であるL. serriola, L. saligna, L. virosaおよびアキノノゲシL. indicaを供試して,14種類のアイソザイムの分析を行い,それらの種間に多型が見られることを明らかにした.また,GOT,PGIおよび6-PDHは共に2量体の酵素で,これらの酵素の6つの遺伝子座はLactuca属のアイソザイムの遺伝分析に有効であった.レタスとL. serriolaのF2雑種におけるこれらの酵素の分離分析の結果,Got-1,Got-2, Pgi-2およびPdh-2の4つの遺伝子座が明らかになり,それらのうち,Got-2, Pig-2およびPdh-2の3つの遺伝子座は互いに連鎖していた.レタスとアキノノゲシ間の6倍体の体細胞雑種のバンドの濃さの分析はその雑種がレタスの4つのゲノムとアキノノゲシの2つのゲノムから構成されていることを示した.これら6つのアイソザイム遺伝子座はレタスと近縁野生種の交雑を行ううえで有効な遺伝子マーカーとして利用できるものと思われる.

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