抄録
1. Dioscorea japonica, THUMB. (ヤマノイモ) の中にも種々の系統が存在するにあらざるやとの見解から自生品の零餘子を栽培して二三の形質に就て調査して見た。
2. 地上部に於ては葉形, 葉色, 莖色に就て系統間に於て夫々差のあることを認めた。
3. 地下部に於て首の大小, 先端部の状況, 鬚根の多少, 外皮の色澤等何れも差があり, 尚生長に關する長さ, 重さ等も系統間に差を生ずる傾向あるを認めた。
4. 從つて實際栽培に當つては諸種の形質を考慮し優良な系統を選擇して栽培する事が必要である。