園芸学会雑誌
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釀熱物踏込に關する二三の試驗
萩原 十
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1938 年 9 巻 3 号 p. 318-325

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抄録

釀熱材料として藁, 大麥稈, 米糠, 石灰窒素を使用して踏込に關する試驗を行ひ次の如き結果を得た。
1. 藁〔風乾物(含水量約12%)〕, 米糠(風乾物)を材料として踏込みたる時は次式により略適當の給水量が算出出來る。
藁踏込量×3.4=給水量
2. 東京府下に於ては1フレームに對し1尺の厚さに踏込時は, 藁〔風乾物(含水量約12%)〕約32貫700匁を米糠と共に踏込めば充分の樣に考へられる。
3. 藁2, 大麥稈1の割合に米糠と共に踏込たるものは, 藁のみ米糠と踏込たるものと同樣の成績を得た。
4. 藁, 米糠, 大麥稈等にて踏込の場合, 石灰窒素1立方尺に對し15匁使用した時は發熱は遲れるが高熱を持續する。
5. 硝子障子を通して來た陽熱が何位床土の保温に對して影響するかに就てみたるに,踏込後30日間に於て陽熱利用區平均床温5°.15C高かつた。

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