抄録
ロ腔,顎顔面組織欠損に用いられる粘膜,皮膚皮弁移植による再建手術にOHP療法を応用した。対象は1977〜1985年の8年間に名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科で手術を行った28症例,32皮弁で,いずれも局所循環障害をおこしたものである。症例の内訳はAbbe皮弁12,口蓋粘膜骨膜弁1,舌弁1,皮下脂肪移植1,耳介全層移植1,鼻口唇弁1,前額皮弁1,胸鎖乳突筋皮弁1,大胸筋皮弁2,D-P弁3であった。高気圧酸素下におかれる(1日1回1時間2ATA,1日2回各1時間2,3ATA)ことにより,貧血皮弁はピンク色に皮弁色調が改善した。OHP治療開始は術後なるべく早期より始めることが望まれた。皮弁改善度はgood 15例(53.5%),fair 5例(17.9%),poor 8例(28.6%)であった。合併症として5例に耳痛がみられた。OHP治療は,循環障害をおこした皮膚皮弁の循環改善には有用な治療である。