水文・水資源学会誌
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原著論文
黒部川扇状地における長期の流量観測データを用いた河川−地下水交流関係の評価
手計 太一北 隆平橋本 充弘下坂 将史
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2016 年 29 巻 4 号 p. 219-226

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抄録

 本研究では,既存井戸の柱状図データ731本とその比抵抗データを利用することによって定量性を持った黒部川扇状地の地質図を新しく作成した.本稿では,縦断図と横断図を合わせて5つ示し,黒部川扇状地の堆積構造を明らかにした.1983年から2012年までの30年間に実施された貴重な流量観測データを整理し,長期的な湧水・伏没機構について検討した.その結果,検討期間を通して収支では伏没量が支配的であり,その量は近年増加していることがわかった.さらに,黒部川における河川-地下水交流関係の季節変化や長期的な変化が認められた.

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© 2016 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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