水文・水資源学会誌
Online ISSN : 1349-2853
Print ISSN : 0915-1389
ISSN-L : 0915-1389
原著論文
手賀沼浄化導水の運用と効果に関する研究
中村 徹立山田 正
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 32 巻 2 号 p. 94-102

詳細
抄録

 手賀沼は,全国CODワースト1の汚濁した湖沼であったため,全国唯一の大規模な浄化導水事業として,北千葉導水事業により利根川から手賀沼へ浄化導水(最大9 m3/s)が導入され,2000年度から運用を開始した.手賀沼の年平均CODは導水後半減し大きな効果が確認されている.浄化導水自体のCOD負荷量を除いた手賀沼COD流出負荷量は1割減少し,手賀沼浄化導水は利根川水質の改善にも寄与していることを確認した.手賀沼CODは,浄化導水量に応じて変動するため,浄化導水量と手賀沼CODの関係について検討した上で,手賀沼の自動観測による日平均COD等,気象水象情報を使用して導水量を増減する調整試験を6か月間実施し,手賀沼のCOD75 %値,及び年平均CODの最小化を目標とする効率的な導水運用方法を立案した.

著者関連情報
© 2019 Japan Society of Hydrology and Water Resources
前の記事 次の記事
feedback
Top