水文・水資源学会誌
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河川水温と気温等の相関に関する研究
信濃川水系魚野川を例に
生田 理弘大熊 孝大川 秀雄神立 秀明中村 一郎
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1991 年 4 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

大気と温度差のある河川水温は, 豪雪地帯では従来から消融雪溝として雪処理に利用され, 最近, 豪雪地帯以外でも冷暖房・給湯等にその利用が注目されるようになってきた。河川水温を利用するためには, その水温変化を把握する必要がある.そこで, 魚野川筋を中心に自記水温計を用いて河川水温の測定を行い, 水温の変化を調査し, 主に気温との関連性について考察を行った。河川水温の変化は年周期, 日周期の変化が顕著にみられ, その年・日変化を気温と比べると共に若干位相の遅れを示し, 年・日較差とも小さい.河川水温は主に気温の影響を受けているため, 日平均水温と日平均気温の相関は高い.しかし, 降雪, 融雪および水温と気温の年周期の位相差の影響による残差がみられる.そこで, 日平均気温, 移動平均気温, 前日降雪深を用いて3重回帰分析を行い, より高い相関係数を示す重回帰式が得られた。その重回式により, 日平均水温の予測が可能である.

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