水文・水資源学会誌
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ヒートパルス速度と微気象データを利用した林木蒸散量推定法の提案
吉田 弘端野 道夫村岡 浩爾
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1993 年 6 巻 4 号 p. 350-357

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抄録

ヒートパルス速度と微気象データを利用して数理モデルにより林木蒸散量を推定する方法論を提案する.推定に用いる数理モデルでは気孔の開閉のような植物生理学的な現象や土壌水分の減少にともなう吸水の抑制現象をサブモデルとして取り入れることで,土壌,植生,大気間の水移動における相互作用を考慮している.モデルパラメータはヒートパルス速度, Penmanの可能蒸発散量および土壌水分ポテンシャルのデータを用いて同定される.本モデルを徳島県白川谷試験流域における31年生スギの観測データに適用し,実森林における林木蒸散量推定法としての妥当性を検証した.

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