1995 年 8 巻 5 号 p. 477-483
広域の積雪分布推定は長い間望まれていた.観測の困難さから有効な手段は無かったが,近年のリモートセンシング技術の発達によって,面的観測は行えるようになった.本研究はNOAA衛星を使って,積雪マップと積雪深分布図の作成を試みたものである.第一にNOAA画像において雲域と積雪域を区別する方法を示した.第二に,全域が晴れた積雪マップを15日間の画像の合成から作成した.第三に雪線からの標高差と積雪深の比例関係から積雪マップ上において積雪深分布を求めた.1989年から1991年にかけて東北地方に適用したところ,1月に1シーンの割合でデータは得られた.これらから雪の全水資源量を評価することができた.