2020 年 8 巻 2 号 p. 142-150
薬剤耐性菌による感染症の難治化に対し,薬剤耐性菌対策として抗微生物薬の適正使用が提言されている.耳鼻咽喉科領域の感染症の中でも特に小児急性中耳炎はその起炎菌である肺炎球菌,インフルエンザ菌の薬剤耐性化が進むに従い難治化が問題となっている.今回「小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年版」が作成されたが,今回のガイドラインにおいてはこの薬剤耐性の問題に応えるべくClinical Questionにおいて抗菌薬の適正使用を推奨している.また,エビデンス評価および推奨の評価を前回までのガイドラインから変更しより使用しやすい表記に変更されている.抗微生物薬の適正使用においては,提示されている数値目標が一人歩きしている感があるが,今回のガイドラインでも記載してあるように目標とするところはあくまでも抗微生物薬の適正使用であり,そのことを十分に踏まえた上でガイドラインを参照にしつつ小児急性中耳炎の診療を行う必要がある.