農業農村工学会誌
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稼働プラント調査による小規模バイオガス施設の経済性検討
岡庭 良安三原 千宗岡島 賢治田中 忠次
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2009 年 77 巻 8 号 p. 635-638,a2

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抄録

バイオマス利活用施設としてのバイオガス施設は,メタンガスエネルギーが回収利用できること,およびメタン発酵後の消化液が肥料として利用できること等の利点を有している。しかし,消化液の液肥利用ができない場合は,消化液の水処理に大きなコストが発生する。本研究では,稼働中のバイオガス施設の経営実態調査を行い,消化液の農地還元率が施設の経営に大きな影響を及ぼすことを示した。さらに,農業集落排水処理施設と連携させた小規模メタン発酵施設について,実態調査をもとに消化液の農地還元率等を変化させた42ケースのシナリオを設定して経済性を試算した。その結果,小規模メタン発酵施設では,消化液処理方法と原料処理単価の設定が施設の経済性に大きい影響を及ぼすことを明らかにした。

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© 2009 公益社団法人 農業農村工学会
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