石川県では,「里山」を,人と自然とが共生するモデルとして,未来の世代に継承していかなければならない貴重な「財産」と位置付け,利用・保全する取組みを進めている。県行政においては,県庁の部局横断組織として「里山利用・保全プロジェクトチーム」を設置し,モデル事業等に取り組んでいる。大学においては,里山に関する調査・研究や人材育成の取組みが行われているほか,H20年4月には里山・里海の研究を行う国連大学高等研究所の研究施設が金沢市に設置された。このような中,農業農村整備事業では,従来からの取組みに加え,里山の生き物に配慮した施設の整備や,里山の水と土に関する調査を新たに進めている。これらについて概要を報告する。