農業農村工学会誌
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魚のゆりかご水田プロジェクトにおける地域活動
硲 登志之堀 明弘
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2010 年 78 巻 10 号 p. 823-826,a1

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抄録

滋賀県南部に位置する野洲市菖蒲,堤,須原,安治の4集落は,かつてクリークや沼が点在し,フナ,コイ,ナマズなど格好の産卵成育の場だったが,田舟などによる農作業や大雨が降ると浸水被害に見舞われるなど,農業活動に不利な地域であった。このため昭和40年代から湖岸道路の整備,河川改修,逆水灌漑,農地整備などが進められ,本地域の人びとは安心して安定した生活を送ることができるようになった。しかし一方では,琵琶湖と水田間の魚類の移動経路・機会の減少につながり,近年水田地帯の魚類は減少していった。そこで滋賀県では,これらを見直そうと「魚のゆりかご水田プロジェクト」を,行政と農家が連携して取り組んでいる。本報は,本地域でのこれらの取組み,取組みに至った経過,地域活動を進める上での留意点などを報告するものである。

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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