石川県では,暗渠排水に関する県の技術指針が2002年に改訂される以前の施工においては,疎水材としてもみ殻が利用されていた。しかし,もみ殻を単独で使用した暗渠は,暗渠溝(疎水材の充填部)が収縮し,同時にもみ殻が劣化するので暗渠の機能が劣化することが多い。このような場合には,新たに暗渠を再施工する事例が見受けられるが,農家の費用負担が大きく着手しにくい。そこで,暗渠管はそのまま残し,暗渠溝を拡充してもみ殻のみを新しい疎水材と取り替える方法なら,費用を縮減でき,また農家が納得する暗渠機能の回復方法になり得ると考え,実際の圃場で試験施工を行い,その効果と施工上の注意点について検討した。